「お笑い世代論」の版間の差分
お笑い世代論の記事を新規作成 |
大学お笑いとキングオブコントの記述を加筆し内部リンクを追加 |
||
| 5行目: | 5行目: | ||
== 背景 == | == 背景 == | ||
ラリー遠田は、第一世代以降の芸人を論じるうえで「テレビ」の存在が不可欠であるとし、1953年の地上波テレビ本放送開始以後、芸人の主戦場がテレビへ広がり、「売れる」ことがテレビ出演と強く結びつくようになったと述べている<ref name="kobunsha" /> | ラリー遠田は、第一世代以降の芸人を論じるうえで「テレビ」の存在が不可欠であるとし、1953年の地上波テレビ本放送開始以後、芸人の主戦場がテレビへ広がり、「売れる」ことがテレビ出演と強く結びつくようになったと述べている<ref name="kobunsha" />。そのため、お笑い世代論は単なる年齢区分ではなく、テレビ、賞レース、劇場、ラジオ、YouTube、SNS、配信などのメディア環境の変化を反映した見方として用いられる。 | ||
== 主な世代区分 == | == 主な世代区分 == | ||
| 21行目: | 21行目: | ||
=== 第五世代 === | === 第五世代 === | ||
2000年代の賞レース時代に台頭した世代として語られる。2001年に『[[M-1グランプリ]]』が始まり、初代王者は中川家、参加組数は1603組だった<ref name="m1-history">{{Cite web |url=https://www.m-1gp.com/history/ |title=大会の歴史 |publisher=M-1グランプリ 公式サイト |accessdate=2026-05-02}}</ref>。また、2002年には『[[R-1グランプリ]]』が始まり、初代優勝者はだいたひかるだった<ref name="r1-history">{{Cite web |url=https://www.r-1gp.com/archive/ |title=R-1グランプリ2026 大会の歴史 |publisher=R-1グランプリ公式サイト |accessdate=2026-05-02}}</ref> | 2000年代の賞レース時代に台頭した世代として語られる。2001年に『[[M-1グランプリ]]』が始まり、初代王者は中川家、参加組数は1603組だった<ref name="m1-history">{{Cite web |url=https://www.m-1gp.com/history/ |title=大会の歴史 |publisher=M-1グランプリ 公式サイト |accessdate=2026-05-02}}</ref>。また、2002年には『[[R-1グランプリ]]』が始まり、初代優勝者はだいたひかるだった<ref name="r1-history">{{Cite web |url=https://www.r-1gp.com/archive/ |title=R-1グランプリ2026 大会の歴史 |publisher=R-1グランプリ公式サイト |accessdate=2026-05-02}}</ref>。さらに2008年にはコントに特化した賞レースである『[[キングオブコント]]』が始まり、公式アーカイブでは初代キングが[[バッファロー吾郎]]とされている<ref name="koc-2008">{{Cite web |url=https://archive.king-of-conte.com/2008/ |title=キングオブコント2008公式サイト |publisher=キングオブコント公式サイト |accessdate=2026-05-02}}</ref>。この時期以後、お笑いはテレビ番組で発見されるだけでなく、賞レースで実力を示して売れる構造を強めた。 | ||
=== 第六世代 === | === 第六世代 === | ||
| 30行目: | 30行目: | ||
== 第七世代以後 == | == 第七世代以後 == | ||
2020年代以降は、「第八世代」という呼称が一部で使われることもあるが、「第七世代」ほど一般化しているとは言いがたい。代わって、[[大学お笑い]]出身者の台頭、賞レースの高度化、YouTubeやPodcast、配信ライブの常態化などが注目されている。 | |||
東洋経済オンラインは、『[[M-1グランプリ]]2023』について、優勝した[[令和ロマン]]の髙比良くるまと松井ケムリが慶應義塾大学のお笑いサークル出身であり、[[真空ジェシカ]]の川北茂澄も同じサークル、相方のガクは青山学院大学のサークル出身であると報じている<ref name="toyokeizai-univ">{{Cite web |url=https://toyokeizai.net/articles/-/729466?display=b |title=令和ロマンで話題「大学お笑い」勢いを増す背景 R-1やキングオブコントでも存在感が高まる |publisher=東洋経済オンライン |date=2024-01-25 |accessdate=2026-05-02}}</ref>。同記事は、[[ママタルト]]、さすらいラビー、ひつじねいり、Gパンパンダなども学生芸人文化や大学サークルの文脈から説明している<ref name="toyokeizai-univ" />。 | |||
また、ABCラジオのリリースでは、[[ラランド]]、[[真空ジェシカ]]、[[令和ロマン]]などを『大学お笑い』が輩出した代表例として紹介している<ref name="abcradio-univ">{{Cite web |url=https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000367.000040629.html |title=ABCラジオに学生芸人がやってきた!現役学生芸人がおくる「大学お笑いラジオ部」 |publisher=朝日放送ラジオ |date=2024-01-18 |accessdate=2026-05-02}}</ref>。こうした流れのなかで、[[NOROSHI]]のような学生大会、大学サークル、ライブシーン、配信番組が、プロ前夜の芸人を可視化する回路として重要性を増している。 | |||
一方、賞レースの側でも変化が見られる。東洋経済オンラインは、大学お笑い出身者が『[[R-1グランプリ]]』や『[[キングオブコント]]』でも存在感を高めていると報じている<ref name="toyokeizai-univ" />。コント分野では、賞レースの制度化によって、ユニットコントや構成重視のグループも評価対象として可視化されやすくなり、[[ダウ90000]]のように演劇・コント・ユニット性を横断する表現も注目されるようになった。 | |||
『[[M-1グランプリ]]』では[[令和ロマン]]が2023年と2024年に連覇し、2025年にはたくろうが優勝した<ref name="m1-history" />。このため、2020年代以後の若手芸人は、「第八世代」と一括するよりも、大学お笑い、賞レース最適化、配信時代の活動形態といった複数の軸から説明されることが多い。 | |||
== 批判・限界 == | == 批判・限界 == | ||
お笑い世代論には、世代の境界が曖昧であること、関東と関西で芸人の売れ方が異なること、テレビ中心の整理では劇場・ラジオ・[[大学お笑い]]・インターネット配信などの動向を捉えにくいことなどの限界がある<ref name="kobunsha" />。とりわけ2020年代以降は、テレビ出演の有無だけでは芸人の影響力を測りにくくなっており、従来の世代区分では説明しきれない面も指摘されている。 | |||
== 関連項目 == | == 関連項目 == | ||
| 42行目: | 48行目: | ||
* [[M-1グランプリ]] | * [[M-1グランプリ]] | ||
* [[R-1グランプリ]] | * [[R-1グランプリ]] | ||
* キングオブコント | * [[キングオブコント]] | ||
* 大学お笑い | * [[大学お笑い]] | ||
* [[NOROSHI]] | |||
* [[令和ロマン]] | |||
* [[真空ジェシカ]] | |||
* [[ラランド]] | |||
* [[ダウ90000]] | |||
== 脚注 == | == 脚注 == | ||
{{Reflist}} | {{Reflist}} | ||